麻雀はルールや点数計算が複雑なので、それらの習得に時間を取られて、肝心の上がり役をきちんと把握できていない方もいるかもしれません。
「平和(ピンフ)」や「一気通貫(イッツー)]といった、見かける機会の多い役であれば、実践を通して自然と覚えていけると思います。
ただ、麻雀で点数の高い役は自ずと出現頻度も低いので、実践の中で覚えようと思ってもそもそも目にする機会がほとんどありません。
本記事では、麻雀で一番高い役である「役満」を出現頻度に応じて、レア度別に分類しながらご紹介します。
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レア度Cの役満(出現率0.03%~0.05%)
まずは、役満の中でも比較的出現率の高いものから紹介していきます。
高いといってもその出現率は0.03%~0.05%なので、2,000~3,333局に1回程度の出現頻度ということになります。
形や条件を覚えて、自分自身でアガることを目指しましょう。
四暗刻(スーアンコー)
四暗刻は、手牌の中の4つの刻子または槓子をすべて自力で暗刻にすることで成立する役満で、出現率は約0.05%です。
上の牌姿では、「東」をツモることで四暗刻が成立していますが、形上は「6筒」をツモっても成立します。
ただし、「東」や「6筒」を他家からロンする形でアガる場合は、4つの刻子または槓子をすべて「自力で」暗刻にできているわけではないので、四暗刻にはなりません。
国士無双(コクシムソウ)
国士無双は、「萬子」「筒子」「索子」の1,9牌と「東」「南」「西」「北」「白」「発」「中」のすべての字牌を1枚ずつと、その中のどれか1つをもう1枚そろえることで成立する役満で、出現率は約0.04%です。
上の牌姿では、「南」をツモることで国士無双が成立していますが、国士無双は四暗刻とは異なり、必要な牌をすべて自力で揃えなければならないわけではありません。
そのため、「南」を他家からロンする形でアガっても、国士無双は成立します。
なお、国士無双はその成立条件から面前でしか、アガれない役満です。
大三元(ダイサンゲン)
大三元は、「白」「発」「中」の三元牌をすべて刻子または槓子で揃えることで成立する役満で、出現率は約0.03%です。
上の牌姿では、「中」をツモることで大三元が成立していますが、「中」を他家からロンする形でアガっても成立します。
形上は「2筒」でもアガることができますが、その場合は中を暗刻にできていない形でのアガりになるので大三元は成立しません。
また、大三元は面前でなくとも成立します。
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レア度Bの役満(出現率0.001%~0.01%)
出現率0.001%~0.01%なので、確率的には10,000~100,000局に1回程度しか、出現することのないとても珍しい役です。
アガったら対局者が驚くような役ばかりなので、ぜひ覚えてください。
小四喜(ショウスーシー)
小四喜は、「東」「南」「西」「北」の4つのうち3つを刻子または槓子にし、残りの1つを頭にすることで成立する役満で、出現率は約0.01%です。
上の牌姿では形上、「西」でも「北」でもアガれますが、どちらでアガっても小四喜の成立条件を満たします。
ツモらずに他家からロンする形でアガっても成立しますし、鳴きが入っていても成立します。
字一色(ツーイーソー)
字一色は、手牌を「東」「南」「西」「中」「白」「発」「中」の字牌のみで構成することで成立する役満で、出現率は約0.01%です。
上の牌姿では形上、「発」でも「中」でもアガれますが、どちらでアガっても字一色の成立条件を満たしますし、ツモらずに他家からロンする形でアガっても成立します。
字一色は面前でなくとも成立しますし、その成立条件からほかの役満と複合しやすい役満でもあります(後ほど触れます)。
緑一色(リューイーソー)
緑一色は「2索」「3索」「4索」「6索」「8索」「発」という「緑色だけの牌」だけで、手牌を構成することで成立する役満で、出現率は約0.001%です。
上の牌姿では形上、「6索」でも「発」でもアガれますが、どちらでアガっても緑一色の成立条件を満たしますし、ツモらずに他家からロンする形でアガっても成立します。
また、鳴きが入っていても成立します。
上の牌姿は「1-4索」待ちで、「4索」でアガると緑一色の成立条件を満たしますが、上のように「1索」でアガると緑一色にはならないので、注意しましょう。
清老頭(チンロウトウ)
清老頭は「萬子」「筒子」「索子」の1,9牌のみで手牌を構成することで成立する役満で、出現率は約0.001%です。
上の牌姿では形上、「9萬」でも「1筒」でもアガれますが、どちらでアガっても清老頭の成立条件を満たしますし、ツモらずに他家からロンする形でアガっても成立します。
また、鳴きが入っていても成立します。
レア度Aの役満(出現率0.001%未満)
出現率0.001%未満なので、100,000局打ってもアガれないかもしれない役、いうことになります。
自分自身でアガれたら、「ラッキー」という言葉では言い表せないほどですが、ぜひ条件や形を覚えてください。
大四喜(ダイスーシー)
大四喜は、「東」「南」「西」「北」のすべてを刻子または槓子にすることで成立する役満で、出現率は約0.0005%です。
上の牌姿では形上、「5筒」でも「北」でもアガれますが、「北」でアガった場合のみ大四喜になり、「5筒」でアガった場合は小四喜になります。
また、鳴きが入っていても成立します。
九連宝燈(チューレンポウトウ)
九連宝燈は、「萬子」「筒子」「索子」のいずれか1つの種類で1と9を3枚ずつ、2~8を1枚ずつと、1~9のいずれかの牌をさらに1枚そろえることで成立する役満で、出現率は約0.0005%です。
上の牌姿の待ちは「2-6-9萬」ですが、図で表示したように「6萬」でアガった場合のみ九連宝燈が成立し、「2萬」や「9萬」でアガった場合は、条件を満たさないので九連宝燈にはなりません。
九連宝燈は面前でしか成立しない役満で、「アガると死ぬ」と言われているほど、珍しい役満でもあります。
天和(テンホウ)
天和は、親が配牌で配られた13枚+最初にツモってくる1枚でアガることができたときに成立する役満で、出現率は約0.0003%です。
例として牌姿をひとつ出してはいますが、この形はどのようなものでもかまいません。
「親が最初にツモってきた牌でアガれるかどうか」の1点のみで、天和が成立するかどうかは決まります。
地和(チーホウ)
地和は、子が配牌で配られた13枚+最初にツモってくる1枚でアガることができたときに成立する役満で、出現率は約0.0008%です。
こちらも天和の場合と同様に、牌姿をひとつ出してはいますが、この形自体に意味はありません。
「子が最初にツモってきた牌でアガれるかどうか」の1点のみで、地和が成立するかどうかは決まります。
ただし、子の最初のツモが来る前に他家による鳴きが入った場合は、地和は成立しなくなることには注意が必要です。
四槓子(スーカンツ)
四槓子は槓子を4つ作ることで成立する役満で、出現率は約0.0002%です。
カンには「暗槓」と「明槓」の2種類がありますが、四槓子ではどちらのカンで槓子を作っても問題ありません。
また、カンという鳴きの性質上、最後は必ず単騎待ちになります。
ダブル役満
ここまで紹介してきた役満の中には、特定の条件を満たしてアガることで「ダブル役満」と呼ばれて点数が倍(子:32,000点→64,000点、親:48,000点→96,000点)になるものがあります。
なお、ルールによってはダブル役満としない場合がありますし、すでに紹介した大四喜をダブル役満とする場合もありますので、その点はご了承ください。
四暗刻単騎(スーアンコータンキ)
四暗刻単騎は、手牌の中の4つの刻子または槓子をすべて自力で暗刻にしたうえで、単騎待ちの形でアガることで成立するダブル役満です。
上の牌姿では、「北」がアガり牌になっていますが、単騎であれば待ちは何でもかまいません。
「手牌の中の4つの刻子または槓子をすべて自力で暗刻にする」という四暗刻の成立条件はすでに満たしているので、ツモでアガってもロンでアガってもダブル役満になります。
国士無双十三面待ち(コクシムソウジュウサンメンマチ)
国士無双十三面待ちは、「萬子」「筒子」「索子」の1,9牌と「東」「南」「西」「北」「白」「発」「中」のすべての字牌を重複なく1枚ずつそろえたうえで、最後にこれら13種類のいずれかの牌でアガることで成立するダブル役満です。
上の牌姿では「1索」でアガっていますが、アガり牌は国士無双の成立条件に関わる、13種類のいずれの牌でもかまいません。
条件を満たすこと自体が非常に珍しく難しいですが、いざ満たしてしまえばアガりやすいダブル役満といえます。
純正九連宝燈(ジュンセイチューレンポウトウ)
純正九連宝燈は、手牌の中で「萬子」「筒子」「索子」のいずれか1つの種類で1と9を3枚ずつ、2~8を1枚ずつそろえたうえで、1~9のいずれかの牌をさらに1枚そろえることで成立するダブル役満です。
手牌の中で先に1と9を3枚ずつ、2~8を1枚ずつそろえる必要があるので、純正九連宝燈のテンパイ形は上の牌姿しか存在しません。
役満の重複形の例
ここでは、役満の重複形の例をいくつか紹介します。
複数の役満の成立条件を同時に満たした場合に「ダブル役満」と考えるか、ダブル役満と役満を同時に満たした場合に「トリプル役満」と考えるかは、ルールによって異なるので、注意が必要です。
四暗刻+大三元
上の牌姿では「6索」もしくは「白」でのアガりが可能で、「白」をツモった場合は「四暗刻」と「大三元」の成立条件を同時に満たします。
「6索」をツモった場合は「四暗刻」のみ、「白」をロンでアガった場合は「大三元」のみの成立で、「6索」をロンでアガった場合は役満ではありません。
字一色+小四喜
上の牌姿では「東」もしくは「発」でのアガりが可能で、「発」でアガった場合は「字一色」と「小四喜」の成立条件を同時に満たします。
なお、「東」でアガった場合は「字一色」と「大四喜」の成立条件を、同時に満たすことになります。
緑一色+四暗刻
上の牌姿では「2索」もしくは「8索」でのアガりが可能で、どちらでアガっても「緑一色」の条件を満たします。
加えて、「2索」と「8索」のどちらかをツモることで、「緑一色」と「四暗刻」の条件を同時に満たすことになります。
純正九連宝燈+地和
上の牌姿は純正九連宝燈のテンパイ形ですが、子の最初のツモでアガった場合は、「純正九連宝燈」と「地和」の成立条件を同時に満たすことになります。
純正九連宝燈をダブル役満扱いとし、役満が重複した場合のダブル役満やトリプル役満を認めているルールではこのアガりはトリプル役満となり、点数は32,000点×3=96,000点です。
役満の成立条件を把握して狙ってみよう!
麻雀で一番高い役である「役満」には複数の役がありますが、もっとも高い役だけあって成立条件は、いずれも難しいものばかりです。
ただ、役満にはどのようなものがあるかを知っていなければ、いざ役満が見える牌姿になったとしても狙うことすらできません。
ご紹介した役満の成立条件を把握して、対局中に狙える機会があったらぜひ狙ってみましょう。
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